あれから三日かかって七個の死体を見つけました
腐ってるのと
食い散らかされてるのと
まだ死にたてなのと
バラバラなのと
埋められてるのと
悪戯に入って出られなくなった青少年達のと
どう見ても人間じゃないのと
マラソン大会と称した死体探しラリーもそろそろ終盤みたいです
あとは富士山に登って山頂にある撲殺死体を見つければ、家に帰れます
がんばれ、僕
「ハアハアァ…安西先生ちょっと休みましょうよー、もうずうっと歩きっぱなしじゃないですかー」
「ずっとって…まだ十時間じゃないですか」
「どう考えてもずっとじゃん!もーやだ!!もー僕歩きませんからね!!」
「座り込まないで下さい…やれやれ、仕方の無い。少し休みましょう」
「やったー!!もう足が疲労骨折寸前ですよまったく!!」
「本当にひ弱ですねえ〜高屋敷君、女顔のせいですか?」
「いや普通だよ!自分の強靭さを基準に考えないで下さいよ!!」
「そうは言っても、早いところゴールしないと死にますよ?食料だってさっきので最後ですしねえ」
「食料といえば、僕何も持たされないで出発させられたんですけど…他の生徒の人って、食料持ってんですか?」
「…」
「センセ、聞いてます?」
「高屋敷君、昆虫は結構な高タンパク物質なんですよ」
「食えと?!」
「昨日は雨も降りましたし」
「飲めと?!」
「死にはしないんじゃないですか?」
「そ、そうかもしれませんけど…物凄い極限状態じゃないですか…」
「極限?…そういえば高屋敷君、こんな話知ってますか?極限状態にある二人は結ばれると」
「ああ、聞いた事ありますよー雪山とか、樹海とかで…?……まさか」
「そのまさかです高屋敷君。さあ私と相思相愛の結ばれた関係に☆」
「うわああああああ!!誰が結ぶかアホオオおおぉ!!」
「じゃあ…別な所を結びましょうか?」
「押し倒すなあアアーーー!!!」