「あ、あった。あれですか安西センセー?」
「ん?ああ、そうみたいですねえ…高屋敷君、撮ってあげますからデジカメ渡して下さい」
「どぞ、ありがとうございます。…心中かあ…やっぱ駆け落ちでしょうかねー」
「(カシャ)んー…まあ、青春ですよねえ〜」
「心中といえば太宰治ですよね、入水自殺だっけ。良いなあ純愛♪」
「はっ、所詮水から上がればブヨブヨになったドザ衛門ですけどねえ」
「またそんな…少しは夢を見させてくださいよう〜ただでさえこんな夢も希望も無い学校に在学してるんです
から」
「夢なんて見るから傷つくんですよ?」
「先生ホントに教師なんですか?!教育者の発言とは思えないよ!!」
「…そんなに心中が羨ましいですか?」
「え?いや…」
「そうですかそうですか…では高屋敷君、富士の樹海の亡霊の仲間入りをしてもらいましょう」
うおお聞いてないよこの人!!死にたくないですって!!」
「確かここにサバイバルナイフを…あ〜ありましたありました。さて高屋敷君、覚悟は…おや?高屋敷君?

……どこに行ったんですか?」


「ににに逃げないと逃げないと!!このままだと心中は無いにしても殺される!!」

『……遅かったですねえ高屋敷君…待ち草臥れちゃいましたよ?』

「ぎゃあああ?!何で先回り出来てんですかって言うかどっから声がしてるんだ?!」
「上からです」
「へ?(ドサ)オグアアああ?!?
「全く全く…私を置いて先に行くなんて一億年早いですよ?ましてや逃げるなんて…ねえ?」
「アグアアァっ…!お、重いです安西先生!傷が開きます傷が痛い痛い!!踏みつけないでください!!」
「君が悪いんですよ?やれやれ…どうしましょうかねえ?今ここで君の首を落としても良いのですけれど?」
うわあああああ!!謝ります!謝りますからその鋭利な金属を押し付けないでくださいよー!!」
「反省だけなら猿でも出来ますが…まあ、今回は許してあげましょう。ホラ、立ちなさい高屋敷君」
「は、はい…ゴホゴホ…はああ、死ぬかと思った…ごめんなさいもうしません不本意ですけど」
「…解ってるとは思いますが……次は有りませんよ?」
「(お、おうちにかえりたいよー!!)」
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