「あれ?安西先生」 「おや高屋敷君、今日はお弁当じゃないんですねえ」 「母さんが寝坊しちゃって、今日は購買のパンです」 「それにしても購買部はこんなに混んでるんですねえー、先生びっくりです」 「まあ競争になるほどじゃないっすけど。あ、先生何買うんですか?」 「いちご牛乳です」 「だけ?!小食!」 「微妙なツッコミですねえ、ああでも」 「なんですか?」 「実は今、殺意しか持ち合わせがないんです」 「ゴウブエエ?!!誰に対して!?てか無一文!」 「もちろん購買のおばさんです」 「強盗してまでいちご牛乳を?!もー100円くらいおごってあげますよ。あ、でもそのかわり…推薦入学お願いしますよ?」 「教師を買収するだなんて、いけませんねえ高屋敷君。…それこそ推薦にも響きますよー?」 「グッヘエエェ!!マジっすか?!どどどどーすればこの失態を取り返せますか?」 「私にこのいちご牛乳をおごれば良いんですよ」 「どっちにしろおごるんすね…いっすよもーおごりますよ」 「じゃああとこのパンも」 「ゲボガハアア!!20個近くあるじゃないすか!食い過ぎですよ安西センセー!!」 「君のその反吐を吐く様な擬音、何とかならないんですか?」 「あ、食事時にすみませんでした」 「しょうがないですねえ、高屋敷君の買うパンこれですか?」 「え?そうっすけど。…待って下さい!強盗しないでくださいよ?!」 「何言ってるんですか、ちゃんと自分で買いますよ」 「金あるんじゃないすか!!えええ?!その財布からはみ出てる紙束なんですか?!!」 「レシートです」 「うそつけー!色が違うじゃないですか色が!!いったい何の副業してんだあんた!!」 「まあ、『息子』をちょっと」 「『パパ』?!『パパ』がいるのか!その年で!!」 「ははは。冗談ですよ☆」 「冗談なら僕の目見ながら言って下さい!!」 「いやもうホント気にしないでください。あ、私今日お弁当買ってあるんでこのパンあげます。じゃ☆」 「何のために買ったんだーー!!」 |