ガララ
「先生、バンソコ持ってないですか?靴擦れ起しちゃったんですよー。痛くて痛くて…」
「そうなんですか高屋敷君?心配ですね、大丈夫ですか…?」
「何で僕の方見ないで心配するんですか、心にも無いなら何も言われない方がマシなんですけど」
「…ちっ…解りましたよ、さっさと見せなさい。手当てしてあげますから」
「また聞こえよがしに舌打ちされた…もう優しいんだか何なんだか…」

「……ん、こんなとこですか。一応バンドエイド張っておきましたけど、家に帰ったらはずしておいた方が治りが早いですからね」
「ありがとうございますー。でも先生、消毒はもうちょっと優しくしてくれればもっとありがたかったんですけど…」
「だって痛がってる高屋敷君が可愛かったものでつい…ね?…それにしても小さい足ですねえ?」
「あ、そうなんですよ。靴とかも買うの大変なんですよー」
「でもまあ小さい方が締りが良いって言いますからねぇ、喜ばしい事じゃないですか」
「……何のですか?」
「まあ迷信って言うか、一般より二三センチ小さい程度じゃ、前も後ろも締りの良さは期待出来ないんですけれどね」
「だから何の」
「そもそもこの話は中国にあった『纏足』からきていましてね?これは世間一般の常識、布を巻いておく。と言うだけではなく、鶏の腹を引き裂いてその中に少女の足を突っ込んだり、足の裏の骨を力任せに折ったり茶椀のかけらの上を歩かせて肉をそげ腐らせたり…結構厳しいものだったみたいですねえ?しかしこれによって成人しても足を九センチ程度にまで保つ事によってバランスがとりにくいために、内股の筋肉が発達し締りが良くなるんですね。まあなんだかんだ言って夜の相性が良ければ結婚生活は続きますから。
そうそう、この他にも小さい足でよちよちと歩く様が男性にとってたいへん愛らしいものとして映るので、小さくて美しい纏足の女性には結婚話が殺到したそうですよ」
「…どっからそんな知識手に入れてくるんですか?」
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