ガララ


「こんにちわー」
「ああ高屋敷君、聞きましたよ。記憶喪失になったんですって?」
「はい、自分でも経緯くらい説明しろよとは思うんですけど、オーナーの采配だからどうしようもないです」
「世の中そんなものですよ…見たとこ変わり無いようですが、何を忘れたんです?」
「えっと、自分の事は大体覚えてるんですけど、今まで何やってたのかが全然思い出せないです。あと人の名前とか」
「それじゃあ…私の事も忘れちゃったんですか?」
「はい、教師だって事しか…ていうか、そんな見てるコッチの胸が痛むような顔しないでください。聞いた話によるとそんなキャラじゃなかったんですけど」
「そうですね…君以外の前では……ですけれど」
「へ?」
「本当に忘れてしまったんですねぇ…あんなに思い合う仲だったというのに…」
「…?!」
「初めて人に言えないようなあんな事やそんな事をしたのもこの部屋でしたね。思い出せませんか?」
「ちょ、ちょっと待って下さい!!僕のストライクゾーンは男だったんですか?そんな記憶まったく無いんですけど?!てか僕の顔両手で挟むのやめてください!!何する気なんですか?!!」
「ふふっ…脈拍が上がっていますよ?高屋敷君、思い出してくれたんですか?」
「え…あ、あの…その……」
「駄目ですか…こんなときお伽話ならキスしたら元に戻ってくれるものですけれど……試してみましょうか?」
「セ…センセ……












ってそんな事実があってたまるかあああアアーー!!!!!
「危ないですねえ高屋敷君、スタンド振り回さないで下さい」
「振り回したくもなるよ!!何ウソ八百並べてんです安西先生!!いつもギリギリな事言ってますけどアレは飽くまでボケです!やおいボケです!!ネタですよ?!コトに及んだ事なんてありませんよ!!!」
「ホラ、思い出せたじゃないですか」
「…へ」
「この私が砂糖と砂を吐きながら演技してあげたんです、感謝して下さいよ?」
「安西先生…僕の記憶を戻す為だけにあんなホモ臭い事を?」
「当たり前じゃないですか。まったく、口の中ジャリジャリですよ…口説きなんて男相手にするものじゃありませんねえ〜」
「先生…ありがたいですけれど…いっそもう一度記憶喪失になりたいくらいイヤな思い出ができましたよ…」
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