ガラガラ

「こんにちはー♪」
「あぁこんにちは、高屋敷君。何のようですか?」
「先生、今日はハンドクリーム塗ってないんですね。何の用って・・・推薦入学に向けて来たんじゃないですか!!」
「えぇ、今日は湿度が適湿なもので。というのもこの蛙たちのおかげなんですよ。ほら」
「ゥギャア!!な、なんですかこれー。いすぎですよ!!」
「何ですかって…蛙に決まってます。君は蛙も知らないのですか?」
「や、そういうことじゃなくて」
「じゃあどういうことなんですか?」
「せ、先生。今日はやけにご機嫌がよろしくないですね」
「話をそらすなんて一番ダメですよ。機嫌が良くないのは君がチョコをくれないからです」
「ちょ、チョコ!?安西先生はチョコがお好きなんですか?」
「この間教えたでしょう?」
「いえ、初めて聞きましたよ…?」
「そうやって君は聞いてませんといって済ませようとする!!それでいいんですか?一生、それでいいんですか?社会に出たら聞いてないようなことが聞いたこととして進んでいるんですよ。それにいちいちきみは聞いてませんというんですか?え?高屋敷君。」
「いや、いえ。そうですよね・・・すいません。」
「ふう…まったく、君がアドレナリンをたくさん分泌させるから、手がかわいてきちゃったじゃないですか。あ、私理科教師なんですよ」
「はい、この間聞きました♪」
「あーもうまたきみは。そういう時は…」
「す、すいません。聞いてないで…」
「違います。そういう時は、君のポケットに入っているチョコをくれるんです!!当たり前でしょう!?」
「えっ!?何でチョコ入ってるって知ってるんですか!?」
「私は何でも知ってるんです。さあ、チョコを渡して下さい。私の為に持ってきてくれたんですよねえ?」
「え…?あ、はい。そうなんです。どうぞ」
「ありがとう御座います…って君はまた、そうやって人を物で釣ろうとするんですか!?やれやれ…推薦を教えてあげる気にもなれませんねえ〜」
「そ、そんな…じゃあどうすれば?」
「そのホワイトチョコを、ミルクチョコに変えてくれるなら考えてあげてもいいです。」
「安西先生…」

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