「…昔からなんで夜の学校に忘れ物を取りに行くのか疑問に思ってたんだけど、まさか自分がそうなるとは…明日はリコーダーのテストがあるんだよ。確か教室に忘れたと思うんだけど……あーあ、どうして棒状の物を咥えて音を出す為だけに試験なんかするんだよ!!口笛吹いてろ!!正直怖いよ十時の学校なんて!何より怖いのは進路指導質の電気が点いてる事だよ!?どうせいるんだろうなあ…」
「…何ブツブツ言ってるんです高屋敷君?」
ひぎゃあああアアア?!!!
「おやおや…近所迷惑ですよ、落ち着いて下さい」
「ああああびっくりしたー、何で後ろにいるんですか?てっきり校内だと思ってたのに」
「残業をしていたんですけれど、足りなくなってしまいましてね…買いに行ってたんです」
「何が無くなったんです?」
「ラー油が」
「ラー油が?!」
「高屋敷君こそ何してるんです?差し入れでも持ってきたんですか」
「いや先生が残業してるなんて知りませんしね!?忘れ物取りにきたんですよ」
「ああ…もしかしてリコーダーですか?それなら進路指導質にありますよ」
「へ?何で?」
「舐めようかと思いまして」
「もうやめましょうよそうゆうボケ…ホントは?」
「同じクラスの子が持って来てくれたんですよ、君が帰った後でしたので私が預かりました」
「素直にそう言えばいいのに!!」
「いやですねえ、読み手はそんなの期待して無いですよ?」
「読み手?誰?」
「ああいやいや、あっちの話です」
「あっちってどっちですか?何か隠してますね安西先生!」
「何も隠して無いですって。しつこい子は嫌いですよ〜?」
「す…すいませ…」
「まったく、ただでさえ疲れてるんですから。ほらさっさと取りに行きましょう」
「はあ…」
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