ガララ


「こんにちわ安西センセーって暑っ!!なにこれ暑い!!」
「知ってますよそんなこと…」
「なんでー?!クーラーは?僕涼みに来たのにー」
「昨日から壊れてるんですよ。業者さんも忙しくて来れないそうですし…何でこの私がこんな暑い部屋で仕事をしなくてはいけないんでしょうかねえ」
「あ、えと…あの、差し入れにガリガリ君買ってきたから。お仕事頑張って」
「ふん…役立たずの君にしては上出来です」
「…?ところでだけど安西先生、このガラス瓶に入ってるのなんですか?綺麗ですー」
「豚の精巣ですけど」
「自分の感性を否定したい!!」
「そんなに悲観的にならずとも良いではありませんか、青みがかったプラスチック球の様で奇麗でしょう?どことなく真珠に似た輝きがあって」
「気持ち悪いー!!」
「時に高屋敷君、豚の身体器官で螺旋状になっているのはどこでしょう?」
「え?…シッポ?」
「はい不正解です。正解は陰け…
「この下ネタ教師!!PTAの存在必要性の物質化!!
「どうしてですか?私は理科教師で生物学も教えますもの、ちっともおかしくないでしょう?」
「それは表面的な話であって先生が僕に意図していることは限りなく教師がするとは思えない行為なんですよ!!」
「相当嫌なのですね、高屋敷君」
「たりめーだよ!」
「私は高屋敷君にセクハラをするのが大好きだというのに…」
「もうアンタちょっとは人に迷惑かけない趣味持てないの?!て言うか僕に迷惑をかけない趣味を持ってよ!!」
「失礼な子ですね、私だって普通の趣味くらいありますよ」
「え?なになに?」
「趣味は日曜大工です」
「ウッソくさぁ〜!!やる訳ないじゃん、そんないい人そうな普通の趣味」
「失礼な子ですねえ…本当によく作るのですよ?三角木馬とか」
「ああそうですか!!この変態!おとなしく傘立てでも作ってりゃいいのに、ロクなもん作らねえな!!」
「高屋敷君、三角木馬という物はですね?またがる三角の部分は被拷問者の膝上の高さにしなくてはいけないのです。そうしなければ、体重がかからないように足で強く挟んで逃げられてしまうのです」
「あっそ」
「だから、小柄な相手には特別に作らなければいけないんですよ。…苦労しました」
「バッカじゃないの?」
「いやいや、これも素晴らしい拷問の為ですから。……ところで、高屋敷君?」
「なにー?ド変態サディスト教師ー」
「高屋敷君の股上から膝の長さは、三十五センチくらいなのですね」
「………!?!ぎゃああこっち来ないでくださヒギイィッ!!?
「あはは。どうですか高屋敷君?足に重りもつけましょうか?」
「あががが!降ろして下さいお願いだからもう口悪いこと言わないからー!!」
「はいはい、降ろしてあげますよ…」
「あああ痔になるかと思ったぁー!もう最悪ー!一度でも三角木馬に乗った人生なんて最悪ー!!」
「因みにこれ、三角の先端部分がゴムで作ってあるんですよ。痔にはなるかもしれませんがまあ裂けたりはしないでしょう」
「解説しないで!しかも微妙な優しさが逆にキモいよ」
「全部が木で出来ているものは、高屋敷君がもっと大人になってから…☆」
「もう僕今日から朝牛乳飲むのやめる…」
「全部ガラスで出来ている方が良かったですか」
「そのさあ!真剣な顔で聞くのやめてよ!ホントもうマジで最悪の趣味!!」
「そうは言いますけれどねえ高屋敷君、君こそ趣味は何なのですか?」
「え……お菓子作り?」
「はん!」
「うううっさいのー!別にいいじゃないですかー!!」
「別に構いやしませんけれど、高校生男子がお菓子作り…ねえ」
「ほっといてください!!」
「ん?でも確か高屋敷君、料理は下手ではありませんでしたか?」
「あ、はい。手順と材料が一杯あると混乱して」
「頭が悪いですねえ」
「ほっといて!」
「大体なんです、お菓子は得意で料理は下手。どこの層を狙ったキャラ付けですか?」
「キャラなんて付けてないですもん!」
「もんとか言わないで下さいよ気持ちの悪い。ああ嫌嫌鬱陶しい、近寄らないで下さい」
「な、なにそれー!なんでそんな急に冷たいのー?!」
「暑いからですよ馬ー鹿。死ね」
「なんかキャラまで変わってきた!」
「高屋敷君、帰りなさい。鬱陶しいので帰りなさい今直ぐに帰りなさい帰りなさい帰りなさい」
「あれ?どしたの安西先生なんか…ふらふらしてない?」
「帰れっつってんですよこのガキ。君に弱みを見せるのが私は死ぬ程嫌いなのですだから私が倒れる前に帰れと何度も……ぁ……」
「あ、あれー?!センセしっかりして!ねえしっかりして起きてよぅ!僕センセがそんなに熱に弱いなんて知らなかったですよー!!」



安西先生はぶっ倒れたまま起きてくれないです

思わぬ所で安西先生の弱点を見付けちゃったんですけど

ぐったりしてる安西センセはなんかすっごく可哀想なので

とりあえず校長センセに電話して

ガリガリ君をおでこに乗っけておきました

ちょっとしたら校長センセが来て

安西先生を担いでどっかにつれてっちゃいました


なので僕はこうして

ガリガリ君を二本同時食いしてるんです

安西先生、早く元気になるといいなあ

 BACK