ガララ
「安西先生ー」
「ああ高屋敷君、待ってましたよ」
「またハンドクリーム塗ってる…乙女ですか先生」
「結構手が荒れるんですよ?試薬が付いたりすると」
「え?先生理科教師だったんですか?」
「はい、知りませんでしたか」
「うわあ嫌だな…毎日ニワトリ解剖してる姿が目に浮かぶようです」
「どっちかというとニトログリセリンの生成してますけどね」
ボグエェェ?!何に使うんです!?」
「大した事じゃないですけど…あ、作り方聞きます?簡単ですよ」
「いいです」
「そうですか、じゃあ効果を試してみます?」
「全然いいです」
「ノリが悪いですねえ高屋敷君」
「そんなノリいらないです」
「なら特別にいいもの見せてあげます(カララ)はいどうぞ。ぴょん太君です☆」
「わあ!ウサギじゃないですかあ♪って先生今机から出しましたよね!?動物虐待じゃないすか!!」
「…その方がいいんですよ」
「へ?何が?」
「恐怖で血液中にアドレナリンが分泌された方が柔らかくなったりするんです」
「安西先生…まさかとは思いますが…ぴょん太君って…」
「今日の夕食ですが?」
「やっぱり!!?これだから理科教師は!名前までつけておいて!!」
「まあまあ高屋敷君。明日君の分も持ってきてあげますよ」
「いらない!いらないですよそんなの!!」
「そんなのだなんて…命を何だと思ってるんですか君は?!」
「ええ?!先生がそれを言えるんですか!この冷血漢!!」
「冷血漢は君の方ですよ高屋敷君。君は今まで牛を食べた事は無いんですか?」
「そりゃありますけど…牛は食べる為に増やした家畜だから食べてもいいってアメリカ人が…」
「家畜だから?家畜だからって食べても良いんですか?牛や鳥や豚だって、ウサギと同じ命なんですよ。」
「だ、だって…」
「なら料理用に家畜として飼われているウサギなら君は食べるんですね?大体ウサギや牛だけが生き物だと思うのが間違いなんです。ジャガイモやりんごだって立派に呼吸をしています、生き物じゃないなんて言わせませんよ?ほら、ジャガイモも牛もウサギも食べるのも冷血漢ってことですよねえ?なら冷血漢じゃない高屋敷君は何も食べないで水だけ飲んで生きていかなきゃいけなくなりましたよ〜?さあ、どうするんですかほらほらほら!!」
「うわーん!!安西先生なんか嫌いだー!!」
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