今日は僕の誕生日です

誕生日と言えば、去年の安西先生に祝って貰ったときの話

先生の客であり元カノの幸恵さん…今日が出所なんだっけ

まあ…今日は進路指導室によらずに帰ったから家には着けたんだけど…

油断ならないよなあ…



(ヴヴヴヴ…♪今宵ーも一ー人果てーるー貴方が憎らしいー♪)




「げっ!こ、この着メロ…安西先生から…くそう、イヤだ…イヤだけど……


(ピ)


…センセ?


(『ああ高屋敷君、誕生日おめでとう御座います。冥土の旅への一里塚ですね』)


な…なんですかもうムッカつくなあ〜。あ……そうだ、その…幸恵さんの方は…?


(『ん?来てますよ』)


居るのかよ!!慌てろよ!!ってあ〜…もしかして意外といい感じなんですか?


(『いえいえ、今回は手斧持って来ましたよ』)


うわああ!!慌てろっつってんだろ!!!


(『あー、話してみますか?ちょっと待って下さいね〜……幸恵さん?さっき話してた私の生徒で恋人の高屋敷君が是非話したいと』)


なに言ってんだアンタああアアァ?!!違う!!何もかも違う!合ってるのは生徒だけ!!


(『……もしもし…?』)


ヒイイ!!ち!違いますよう幸恵さん!!僕男ですー!!


(『…アンタに気安く呼ばれる理由なんかないわ…』)


すいませんでした!!


(『男って…言ったわよね?』)


はい!!そうです男です僕!!


(『三年前もそうだったわ…この人の浮気が解った時…あの時も相手は男だったわ…』
『違いますよ幸恵さん、あれは客でしたし浮気相手なら十四人いました。客を入れると…何人でしたっけねえ?』
『知らないわよ!!今更そんな衝撃の事実やめて頂戴!!』
『大体、あの頃は誰に対しても本気じゃありませんでしたよ』
『この性悪!!』)


あ…ツッコミ増えると楽だなあ…


(『…ちょっと待って…あの頃は?……まさか今は本気の相手がいるんじゃないでしょうね?!』
『いますよ、今幸恵さんが電話しているのが相手です』)


この野郎やめろよ僕を巻き込むのって言うか本気に聞こえてすげえイヤだよもうイヤこんな教師


(『…やっぱりアンタなのね…?』)


違いますー!!そんな性悪教師の言う事真に受けないでください!!


(『安西さんの悪口言わないで!!ぶっ殺すわよ!?』)


ヒエエエ!!も、もう別れた方が幸せですよきっとおお!!


(『私だって別れたいわこんな鬼畜!』
『…へえ?私から離れますか。それも良いでしょうねえ…貴方の人生です
……ですが、今更離れたところで、貴方の人生がより意味の無い物に成るだけですよ?』
『あ……』
『もう私から離れるなんて無理なんですよ…幸恵さん、貴方だって本当は解っているのでしょう?ですが、私は無価値なモノを追う気はありません。好きになさい』
『い…いや…お願い捨てないでっ…!!』
『ふふ、無理をおっしゃる…貴方なんてとうに捨ててるんですよ
いえ、拾った記憶もありませんね…』
『ど、どうして……なんで私じゃ駄目なの?』
『価値が無いから。それだけです』
『いやああ!!お願い捨てないで!!』
『やれやれ…言ったでしょう?捨てる以前に貴方は私の物では無いんです
ですが…そうですねえ…試してみましょうか?貴方が私にとって価値のあるものか…』

(ギシッ…)

『あ…安西さん……んあァん!!』)



(ピ)








僕は、大人になりたくない。

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