三日くらい前から、地下牢に縛られて

なんのプレイだ。と一時間に一回は考えながら

時間の感覚を保ってる

ホントに一体、なんのプレイ?



「…あ!?安西先生やっと来たんですかー!!もうとっととコレ外してくださいよー!なんでこんな事すんのさ?!」
「いえ、面白いかと思ったのですけれど…」
「けど?」
「…思った程ではありませんでした」
「人を虐待しといてなんて言い草するんだよ!!残念そうな顔をやめろぉー!!
「だって高屋敷君たら、元気一杯じゃないですか」
「気付いたんだけど、僕、安西先生の事嫌いです」
「先生も生意気なクソ生徒は大嫌いです☆まだ蒙古班がついているような餓鬼の癖にねえ」
「つっ…ついてないですもん!全然ついてないもん!絶対ついてないんだもん!!」
「へえ〜…そんなにもしつこく否定するとは、あやしいですねぇ〜?」
「…ついてないもん…ホントだもん……」
「そうそう、そうやってしおらしくしていれば可愛い生徒ですよ高屋敷君。素敵な奴隷根性です」
う゛ー!!こんな目に合うくらいなら、いっそ土に還りたい!」
「君は死なないでしょう?高屋敷君は放置プレイに向いていないのですねぇ…私が見ていないと、死に直結な怪我でも治ってしまいますからねぇ〜…」
「そうでもしなきゃ百何話も続くかボケェ!」
「…話?何の事です?」
「あ…いや…なんでもないですこっちの話」
「何か隠してはいませんか高屋敷君?」
「なんでもないです。僕の人生って何なんだろ、どうしてこうまでして生きていかなくちゃいけないんだろう…」
「ああ高屋敷君、君の前世は再生実験の贄と成るべくして生まれたかのようなプラナリア。切り刻まれては再生する事が君の運命、使命、カルマなのですよ」
「もう疲れたぁ…」
「…生き返る。…死んでも」
「ん…なに?」
「高屋敷君、地獄を知っていますか?」
「馬鹿にしないでくんない?それくらい知ってるよ…生きてた時悪い事した人がすごい怒られるところでしょ」
「ええ、見るも無残な酸鼻に尽きる拷問を受ける場所です。幾ら痛みを覚えても、救済の時がくる迄は死んでも死んでも蘇る」
「うん」
「…それを踏まえて、君の現状を考えてみて下さいな」
「…え…?」
「一昨日、私に何をされましたか?」
「え…えと、上向いて口開けさせられて焼けた鉄棒突っ込まれて死んで……下校時刻になったから生き返ったけど」
「昨日は?」
「ロウソクの火で右足の小指から頭の天辺までじわじわ炭化するまで炙られて死んで……おやつ食べたら生き返ったけど」
「今日は?」
「監禁されて精神がイカれる音楽聴かされ続けて自分で自分の首絞めて死んで……安西センセが来たから生き返ったけど」
「…」
「…」
「………ドMなんですねぇ」
ちちち違いますー!!だ、大体よく考えたら不死身な訳ないじゃないですか!あれでしょ?なんか安西先生得意の黒魔術とかで死なないようにしてるんでしょ?!」
「どうだか…」
「そっそんな目で見ないでください!僕はマゾヒストじゃないですったらぁー!!
「まあ、そんな事はどうだって良いのですよ。そんな事よりとっとと始末しなければ、ね」
「え?」
「苦しむのはこれで最後です。さあ、今度こそ本当の断末魔を聞かせて下さいな」
「やっ…いや、あ…あ……?」
「ふふ、面白いでしょう?吊り天井の壁バージョンみたいなものです」
「た…助けて、助けて…助けて安西センセェッッ!!
「高屋敷君が潰れていく様、じっくり見ていてあげましょうね」
お願い助けて!なんでもするからお願い…死にたくない助けて、助けて、助けて!!
「ああ、困った子です…我侭を言わないで下さいな?」

(……ミシ…)

ギぃッッ!?あぐううぇっ、うわ、うわあ…いや、死ぬ…助けて」
「…」

(…メキゴッ!!)

あっガアアアアァァアアアァ!?!いぎいッいだ!いやだぁっ!ガげあ!!ダズけ……いぎひいいぁ!!?
「…」

(ゴキョ…ゴリ、ゴリリ…べキョン…!!)

おごへえぇっっっおぶうげええあげあハァッ!!……あが…っ……」
「…」

(ズズズ…ミチ…グチ、グチョ……ベシャ)

「…」
「…死にましたか」











(………………カツー…ー…ン……カツーー…ン…カツーーン…)









「…安西先生」
「ん?…おやおや、高屋敷君。こんな所まで何の用です?」
「別に…見に来ただけ」
「そうですか。丁度今終わったところですよ…これが、最後」
「…気持ち悪」
「君のクローンを処分しろと言ったのは高屋敷君でしょう?」
「誰も凄惨なやり方で処分しろとは言ってないよ!第一センセが勝手に僕のクローン作ったんじゃん!!」
「だって、やってみたかったのですものねえ〜」
「先生はもうちょっと道徳の時間真面目にベンキョするべきだったと思います。小学校やり直してよ」
「おやこんなところにクローンが。巨大ミキサーにかけて処分しなければ」
ぎゃー!!ウソウソ冗談ですー!!」
「さて、後の処理は美化委員会にでも任せて…お茶の時間にしましょうか。ねえ高屋敷君?」
「ん…そですね」
「おや、どうしたのです?顔色が優れませんよ?」
「ならない方がおかしいよ…」
「私はなりません」
「先生はね。……外見も、記憶だっておんなじで…一体なにが、僕と違うのかな?」
「何にもかわりゃしませんよ。違うというなら、君の方が運が強い。それだけです」
「だけ?」
「ええ、他に何が?」
「…」
「さあ、おやつの時間です。今日は高屋敷君の好きなチョコレートケーキを買ってきたのですよ」
「うん…」
「丁度アンブレの茶葉もありますし、ゆっくり休みましょうね」
「…うん」














「…まあ、毒入りなんですけれどねえ」
やっぱ僕も運悪くない?!

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