「おはよございます安西先生。もう夏休み終わっちゃいましたねー」
「お早う御座います高屋敷君。楽しい時間はすぐ過ぎるものですよ」
「その事なんですけど、僕、お祭りで花火見た後のことよく覚えてないの」
「ふん?」
「で、それから後もずっとよく思い出せなくてー気付いたら泥塗れで自分の部屋にいたの」
「成程」
「どうしてだと思う?」
「さあ、どうしてでしょうねぇ〜?」
「どうしてかなあ…」
「世の中には解らない事が沢山あるものですよ…。さあ、いらっしゃい高屋敷君、始業式が始まってしまいます」
「うん!!」




「ああ、皆さん元気で登校してくれたようですねえ。喜ばしい限りですよ」
「わー…肝試しで減った筈の生徒がなぜだか全然減ってないや」
「ははは、いやですねえ高屋敷君…これはホラ…アレですよ……そう、細胞分裂」
「生徒を単細胞扱いしないでください!!」

『…お話の最中失礼致します。安西先生、少々宜しいですか』

「おや、会長君ではないですか」
「あホントだ。生徒会長、夏休みあけましておめでとうございますー」
『明けましておめでとう高屋敷君。今学期も御指導御鞭撻の程宜しくお願いします安西先生』
「愚かしい高屋敷君にノらなくても良いのですよ…で、何のお話ですか?」
『はい。実は生徒指導の坂突先生が出張でいらっしゃらないのですが、夏季休業中にピアス・髪染め等を行った生徒の処分はどう致しましょうか?』
「ガス室へぶち込んでおいて下さい」
『はい。風紀委員長に伝えておきます、お手間を取らせて申し訳ありませんでした』
また生徒が減るじゃないですかー!!
「代わりは幾らでもいますよ」
「どこの魔王だ!!」
『高屋敷君、そろそろ整列してくれないかな。死ぬよ?』
怖えー!!もうこの学校どっち向いても怖いよ!いやんなっちゃう!!」
「まあまあ、今に始まった事ではないでしょう。…さ、ちゃんと大人しく整列してるのですよ?」
『はい、安西先生』
「ぐすっ…ふんだ!当然ですよ死にたくないですもん!!」



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「んっー…ーー!!…あー疲れた!始業式とか長くてきらーい」
「虐殺が無かっただけマシだと思って下さいな」
「あ、そういえば…日常茶飯事になってて忘れてたけど。なんで?」
「ネタが無くて、ねえ」
「センセ方も大変なんですねー…」
「それはもう、オリジナリティだけではやっていけませんから」
「まあ虐殺は無い方がいいんだけど」
「虐殺が無かったら、この学校に何が残るというのですか?」
「え…んと」
「せいぜい人に言えない様なものが残る位ですよ」
「虐殺は言えるんだ…」
「胸を張って言えますね」
「そ…」
「…さて、書類でも纏めましょうかねえ。……あ、高屋敷君はもう帰りなさい?生徒は全員強制下校ですから」
「え…そんなまさか…オチが無い事をオチにして終わらせるんじゃ……あ、待ってくださいったらー!何回使ったんですかこの禁断をー!!





ええと

センセも疲れてるんだと思います

だから、大目に見てあげてくださいね?



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