…
……
………ああ
なんとか生きてるみたいです
白んだ空が、生きている喜びを僕に教えてくれました
「……うぅ…ぁ……頭、が…痛ぁ…」
「おや、お早う御座います高屋敷君」
「ぎゃああ!?なんでいるんですかー?!」
「後の祭りというものを体験してみたくてねえ」
「あっそ……あ、お祭りの後って、地面に小銭おっこってるんですよ。拾ろおっと」
「…高屋敷君、見っとも無い真似はよしなさい」
「学生ですもん」
「やれやれ…ところで、頭は大丈夫ですか?」
「わあ、心配されてるのに不愉快な気分だ!なぜなら原因が先生にあるから!!」
「まあまあ良いじゃないですか、過ぎた事は水に流しましょう」
「全然過ぎてないですー!頭痛いー!!」
「それとも土に埋めましょうか」
「ひいぃごめんなさい!もう全然痛くないです、すっごく爽快!!」
「いやぁスコップを持ってきておいて良かったですよ」
「ぎゃああもうやめてくださいお祭りに来て僕何回頭部が凹んだと思って(ドゴギョッ!!)ぎうぐげぇっっ!!?」
……ザクッ…ザッ……ザク……
痛む頭と首筋と
動かなくなった首から下
僕が横たわるすぐ隣で
安西先生が穴を掘る
「…ふう…こんなところでしょうか?」
僕の首を持ち人形の様に
「高屋敷君は小さいですから、穴のサイズも小さくて助かりますねえ」
放り込まれて背中を打つ
痛みどころか
感触すら感じないけれど
「…という訳で高屋敷君」
上から降ってくる先生の声
「始業式まで、そこに居て下さいね」
声に続いて
上から降ってくる土
シャベルで千切れたのたくるミミズ
ああ
土の匂いで息が出来ない
……ザクッ…ザッ……ザク……