「…高屋敷君高屋敷君。しっかりして下さいな」
「あれ…なんで僕目が見えて…だって眼球にピンが刺さって」
「ゴムに針を刺しても、抜いたら穴が見えなくなるじゃないですか」
「見えなくなるけど穴は開いてるよね!?」
「まあまあ、良いから行きましょう?私は出店を回ってみたいのです」
「う、うん…」


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「んっとぉ…あ!射的はどうですかー?縁日っぽいですよー!!」
「今更銃器を模した物で遊んでも、本物で遊んでいますし」
「…」
「高屋敷君はやりたいのですか?」
「う?うん…でも、下手だから」
「楽しければ良いでしょう。…どうぞ、お小遣いですよ」
「わーい!人のお金だと射的も糸目をつけずに狙えます。あのPS3欲しいですよぅ♪」
「お里が知れる発言をありがとう御座います高屋敷君。人はそうして破産するのですよ」
「でもこう…重心とか、そういうの考えたら倒れるんじゃないですかー?」
「なまじ知恵がついた分手に負えませんねぇ…」
「そりゃ僕は出来ないですけどー、安西センセなら出来るでしょ?はいっ♪」
「煽てても無駄ですよ、冷静に考えて出来る事と出来ない事があります。物理教師を舐めないで下さいな」
「出来ることは?」
「世界征服」
やらなくていいですー!!
「ま、取れるものは取ってあげますよ…えー…と」
「…え?…なんで僕を狙うんですか?!危ないですー!!」
「ははは、当たったら大人しく私のものになる事ですね(カチカチャ、ガション!)
わああなんで実弾入れてんですかぁ!?いつのまに本物のライフルとすり替えたんですか(ドンドンドン)わがぁああ!?!


―――――――――――――――


「い…医者……センセ救急車…ね……聞いてる?」
「おやおや、何時の間に紅い花柄の浴衣に着替えたのです?」
血だよ!!
「ふふ、血が今までに無いくらい噴出していますねぇ〜…でも、大丈夫ですよ」
「どこが?!」
「どんどん大輪になっていきますねぇ、幻想的です」
「僕は世界が幻に見えてきました…ああ…もうダメだ」
「…ああ、花といえば…」
「え?」
「もう打ち上げ花火の時間ですよ」
「うそっ!?…あホントだ!大変だ!早く良い場所取りに行きましょ安西センセ!!」


―――――――――――――――



(…ヒュウウゥゥゥゥ…ー……………ドン!!)



「花火が綺麗ですねえ高屋敷君…」
「うん、綺麗ですねー安西先生…」


(…ヒュウウゥゥゥゥ…ー……………ドン!!…パラパラ…パラ……)


「あ…銀冠ですよー…綺麗ですねー…」
「そうですねぇ……でも」
「『君の方が綺麗ですよ』はナシですからね…」
「オーガズムに達した時の描写に打ち上げ花火が多いのは、どういった訳なのでしょうね〜」
「安西先生安西先生、セクハラは犯罪だって知ってる?」
「知っててやってます」
「最悪…」
「黙りなさい高屋敷君」
「…そういや、センセお祭り来たこと無いのに、なんでこんな良い場所知ってるの?花火すっごいよく見えますー」
「人気の無い場所を探すのは得意ですから」
「…え?」
「高屋敷君…浴衣、よく似合っていますねえ?」
「…え…」
「浴衣が魅力的なのは、はだけ易いという事に尽きるとは思いませんか?」
「…」
「お祭りといえば、夜這いですよねぇ?」
「…ぃ」
「覚悟は良いですか?」
いやあああぁぁぁーー!!どうしていつもこんな事に(ガゴスグチャッ!!)いぎゃあ!?!




背後から、石で、頭が




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