「…高屋敷君高屋敷君。しっかりして下さいな」
「う……あれ?なんで僕…生きて…だって頭蓋骨が陥没して」
「凹んだピンポン玉をお湯につけると、熱膨張で元に戻るではありませんか」
「あんまり関係ないよね!?」
「まあまあ、良いから行きましょう?私は出店を回ってみたいのです」
「う、うん…」
―――――――――――――――
「あ!安西センセヨーヨーやらないですか?出店といえばヨーヨーですよね!」
「ヨーヨー。…って、何ですか?」
「…知らないの?」
「ええ」
「…どんな世界に生きてきたの?」
「………?」
「変な人だと思ってたけど、ホント変なところで常識無いよね」
「そうですか?」
「まーいいや、やったらたぶん解りますよー」
「はあ」
「あのですねー?この紙ヒモついた針金で釣るんですよー」
「はあ…こう、ですか?……あれ?」
「あははは!センセへったくそー!!あはははははは(バシャン)ボゴゲホゴボボガボボボボ?!?ぷっはあぁああ!?!な、なんですかいきなりー!!」
「…笑い過ぎですよ」
「…」
「…」
「…ごめんなさい」
「もう良いです。…すみません、もう一本頂けますか」
『あいよー。がんばんな』
「……十三個目…」
「す…すご……なにやってもすぐ得意になるんですねー…」
「君のような凡人とは違いますのでねぇ、一緒にしないでくれますか?」
「根に持たないでくださいよぅ(なんだろ、今日の安西先生大人気ないなあ…)」
「…」
「…あのー…水差してごめんなさいだけど…いくつ取るつもりですか…?」
「そりゃあ、切れるまでですよ」
「切れる前兆すらないんですけど」
「放って置いて下さいな。君に何の関係があります?」
「ね、根に持ちすぎ…て言うか、だってほっといたら全部取りつくしちゃうつもりでしょ?周りの迷惑考えてくださいよぅ!!」
「知りませんよ。君に笑われた苛立ちの分だけ取り尽くしてやります」
「だ、だからごめんなさいって…ああもうほら金魚すくいあるから行きましょ?!ね?ね?!」
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「…ヨーヨー…」
「ほっ…ほらほら!!金魚すくいの方が楽しいですよ安西センセ!?ね?だからこっちにしましょ?」
「…金魚」
「え?まさか金魚も知らないんじゃ…」
「何を馬鹿な、知っていますよそれくらい。売れ残った金魚は佃煮にして食べる事だって知っていますよ!」
「うわー!!知りたくない事まで知ってるよこの人は!」
「………あの、赤出目金が…」
「よだれ出てます安西先生ー!!やっぱダメダメー!カタ抜きしましょうカタ抜き!!ね?ね?!」
―――――――――――――――
「?何ですかこれは?」
「んっと、このピンで削ると…あああ!食べちゃダメなんです安西センセー!!」
「向こうで食べてる方が…」
「あ、あれは失敗したから…つーか普通食べないですよぅ」
「ではどうするのですか?おかしな文様が刻まれていますけれど」
「だからぁ、この画鋲でその線削るんです。そんで綺麗にくり抜けたら難しさによって百円とか三千円とかー…って、説明してるんだから聞いてよー!!」
「高屋敷君、この画鋲で目を刺…
「わああああああー!!やっぱ別のトコ行きましょ…いっぎゃああ!?!あぎいぃぃいいーーーーーーー!!!!」