「…高屋敷君、着替えました?」
帯が!帯が意味解んない!!首を括りたい!!
「どうしてそんなに追い詰められているのですか、帯ごときに。…ほら、後ろ向いて腕を上げて下さいな」
「ひぐっ…浴衣がこんなに着ずらいとは……ぐす…思わなかった…ふえぇ…」
「泣く事はないでしょう?………はい、これで良いですよ」
「ありがと先生…えー?キツいですよぅ!苦しいですー!!」
「これ位が普通ですよ、どうせすぐ着崩すのですからねぇ…さて、それじゃあ行きましょうか」
「あ、うん。どこのお祭り行くの?」
「スブリナモン山のサバトに」
魔女のお祭りじゃないですか!!誰が行くか!他のとこー!!」
「…?…他にお祭りなんてありましたっけ?」
「因数分解が出来るけどバスに乗れない小学生みたいな人だな!いいからもう外出てー!!」


―――――――――――――――


わー!!やっぱりお祭りは人混みと出店ですねー♪ほらコレ!これが普通のお祭りですよ安西センセー」
「ああ…思い出しました、盆に帰ってくる先祖の霊を迎えるのでしたねえ………でも、綿菓子とか射的がそれと何の関係があるのですか?」
知らん!!そんなことは知らん!!
「何故いきなり頑固オヤジに…」
「先生もううるさいのー!!早く歩いてくださいほらほらほらぁー!!」
「はいはい……さてと、それでは君の邪まに付き合うとしましょうかねえ…何が欲しいのですか高屋敷君?買ってあげますよ」
「えー?そんな悪いですよー!!でも取り敢えずりんご飴とラムネとわたあめと薄荷パイプと焼きそばとたこ焼きとお好み焼きとフライドポテトとフレンチドックと焼き鳥は欠かせないですよねっ♪」
「…ま、良いですけれど…お腹を壊すのではありませんよ」
「任せてください!!じゃあまずあの焼き鳥屋さんかられっつごーですー♪」






「…よく食べますねえ高屋敷君」
「おいしー!!おいしいですよ安西センセ!ありがとう御座いますー!!」
「それは何よりで…」
「先生食べないんですか?おいしいのに…はい、あと半分食べていいですよ」
「ええ。(…ヴヴヴヴヴ…)…あ…少し待って下さいな、携帯が…」
「客?恋人?」
「えー…と…ああ、業者さんからですねえ」
業者!?ヒドいっ!安西センセったらお仕事と僕のどっちが大事なの?!
「ちょっと静かにしていなさい。……はい、安西です」
「ひどい、ツッコんでくれなかった…」
「ええ、トラックに三台分お願いします」
何を?!
「…いえ、男女比率はどうでも良いです ……はい、はい…17が三割程度…16が六割で…」
生徒か!!生徒だな!?胆試しで死んだ分だなー!?!
「え?…ああすみません、ちょっと子犬がうるさくて」
「トラックに三台ってどんだけどんぶり勘定なんですか(ドスッ!!)あぶぐぅっ!?!
「……はい、では…ええ……はい、宜しくお願いします。では

(……ピ)

…やれやれ、人の電話中は静かにするものですよ高屋敷君?」
「おぐぅうう…!…!!…あ…胃が……っあ…吐きそっ……」
「大丈夫ですか?よしよし…ほら何か飲みなさい」
「あ……んく…ん………ぷはっ」
「大丈夫ですか?」
「うん、ありがと御座います。……いや、なんで僕謝らなくちゃいけないの?センセのせいだし」
「さてと、それでは行きましょうか。出店を回ってみたいのです」
「あれ?あれ?」
「何をやってるのですか高屋敷君?置いてきますよ」
「待ってくださいよ〜…コレ開かないんですよー」
「ん?ラムネですか…そんなもの開けてどうするんです」
「なに言ってんですか?ビー玉!ビー玉取るんですよ!!」
「そんなもの…後で玩具屋ででも買ってあげますよ。いいから行きますよ」
「やーです!バッカじゃないですか?ラムネに入ってるから価値があるんですー!!安西センセ開けてくださいよぅ」
「最近の物は開かないようになってるんですよ…」
「じゃあ割って!ねえ割ってください先生!!」
「お断りですね、無駄な労力使いたくありません」
「割ってよー!!」
「君の頭をですか?」
わー!?違います(ドゴチャッッ!!)いぎゃ!?!
「さあ、とっとと立ちなさい高屋敷君、次は陥没ぐらいじゃすみませんよ?」
「…頭蓋骨が陥没したに人間になんて無茶を…ああ……前が見えな………い…」



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