(……ガチャ…バタン………ジャリ…ジャ…ギャリリ……)



「……高屋敷君…?どこに、行ったのですか?」
「(あ…あああ…!!)」
「困りましたねえ…暗くてよく見えません。…どこに居るのでしょう?この辺りから、気配がしたと思ったのですけれどねぇ…」
「…(見えて…ない?……でも、いくら暗いからって)」
「ふふふ、ビタミン不足でしょうか?夜目が利かなくて、ねえ……おや?」
「(っ!?)」
「聞こえましたよ高屋敷君…君の可愛い呼吸の音が」
「(…ゃ…)」
「そんな所に隠れていたのですね…出ていらっしゃい?」
「(……逃げ、なきゃ。でも…腰が立たない)」

(ジャ…カシャ、ジャリ…)

「仕方の無い子ですねえ…」
「(いや…来ないで…)」
「…ああ可哀想に、こんなに震えて…」
「(触らないで。やめて…殺さないで)」
「……」
「(死にたくない…)」






「………なんだ、人違いでしたか」
「(…え?)」
「すみませんねぇ…私が探しているのは人間の男の子。オスのウサギではないんですよ」
「…(…?…)」
「恐がらせてすみませんでした。…やれやれ、どこに行ってしまったのでしょうねえ?」

(ガシャ、ガリ…カシャン……コツ…コツ…コツ)

「(なに?なんで…?)」
「お邪魔をしました、ウサギさん。他を当たって来るとしますよ……ま、簡単に捕まえてしまっては面白く無い…」


(…ガチャ…)



「そうは思いませんか?……高屋敷君
「(!?)」



(…バタン)


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