(……ぱた…ぱたぱたぱた……ガチャガチャ!…バタン!!)
「…っは……はぁっ…はっ……げほっ
…なんで、こんな…暗いだけでも恐いのに、また安西先生に追いかけられるなんて…
ここ…三階位かな?…どっか隠れるとこ…ああ、普通の教室に入るんじゃなかった!!
……教卓の下…ちょっと不安だけど…
でも、この教室割れたガラス散らばってるし、ここに入るとは思われないんじゃないかな…」
(………コツ……コツ…コツ…)
「(ひっ?!)」
(…『…ねえ、もういいよー…帰ろ?アタシもうマジ無理だって』『えー?なんで?楽しいじゃん?』)
「あ…(なんだ…他の生徒の人…そうだ、このまま一緒に帰ってもらえば…)」
(『『っキャアアアァァーーーー!?!!』』)
「?!」
(『……いやですねえ…そんなに私の顔は恐いですか?』)
「(あ…安西先生!?)」
(『やだあ先生だったの〜?』『違う違う、オバケかと思ったんだってばー!!』『そうそう美形幽霊!!』『きゃはは!!』)
(『おやおや、お世辞を言っても何も出ませんよ?』)
「…(なに和んでんだよ…『ははは、冗談ですよ☆』とか言ったらこのストレスで縮んだ寿命返してもらうからな…)」
(『…あれ?先生なんで一人なのー?』『あ、ホントだー』)
(『ん?…ああ、その事なんですけれどねえ…どこかに行ってしまって、探しているのですよ』)
(『へー』『どんなー?』)
(『毛色が茶で、小さめの…』)
「(ウサギを引きずるなよ!!人間だよ!!)」
(『えー、見たー?』『見てなーい』)
(『そうですか…』)
(『ねーじゃあ私達と行かない?』『そーそー!胆試しはカップルじゃないと!!』『両手に華だし!!』『アンタ華ねーじゃん!?』『アンタもだって!!』)
(『…そうですね、高屋敷君がいないのでしたら、仕方の無い…
他の兎を狩りましょう』)
「(え?)」
(『えー?なになにー?』『狩りってなんのこ(ドゴグチャッ!!)あぎぃいいい!?!』)
(『ほら…丁度二匹、兎がやってきましたし…ね(ギュィイイイィィイイイーーーー…ンン!!)』)
(『な、なに?!…やだ…やめてよ先生……冗談でしょ(ガガガガゴリガキキギチャ!!)はぐあぁぁぁああ!?!!いがっ…!!(ギュリイィィー…ガガガべチャグチャビチョ!!ビャシャブシュウゥギャリリリガガガガガガガ!!!)あっがああああぁああ!?あげぇーーーーーー!!!!』)
「っ…!!」
(『……聞こえましたよ、高屋敷君。君の脅えた心臓の音が』)