「はぁ…はあぁ…死ぬ……地雷原を走り抜けるのはまず心臓がやばいよぅ…!!」
『ああ高屋敷君、遅かったね。一応俺は安西先生に頼まれてるから、君を待たなくちゃいけないんだ』
「か、会長…その血塗れのカッコなんとかなりませんかー?」
『え?ああ…まあ、俺の血じゃないしね。それより最初はパン食い競争だから、頑張って』
「…いや………あの、会長…ここに吊られてるのはその…パンじゃなくて…」
『人みたいだね』
「…これをどうしろと?」
『引っ張ってくれるかな』
はあ?!
『息が止まったら、次の障害物に進んで良いんだよ』
「うわぁーん!ちょっとマラソン大会を思い出すよー!!」



「会長!かいちょぉー!!さっきパンの如く人を食らってる生徒がコース脱走して観覧席に突入してましたぁーー!!!
『うーん、まあ、イエズス・クライストが言うにはパン=人肉だし、良いんじゃないかな。それより、君は次の競技頑張った方が良いよ』
「あれ、なんかコレは普通…この小麦粉に紛れてる飴玉を口で取り出すんですよね」
『うん。でも、粉は覚醒剤だから気を付けた方が良いな』
どうして通報しないんですか生徒会長ー!?!



『…高屋敷君、ヴィジュアル系バンドの人みたいに顔が真っ白だよ』
「ぁ…んあ…なんかふわふわして、気持ちイイ……」
『口内粘膜摂取かな、スニッフかい?』
「両方…」
『良かったじゃないか、痛覚も和らぐしね』
「全然良くないですー!!もう僕人生終わったぁー!」
『大丈夫、薬物中毒は寝たら治るんだし。あと、素直に医者に行った方が良いんだよ、守秘儀無があるから……じゃあ、行こうか』
「えと…平均台?ですよね?僕よく見えないんだけど」
『ところで高屋敷君、昔こんな遊びした事あるかい?』
「ふえ?」
『ほら、道路の白線とか歩道の高くなってる縁とかを歩いて…下にピラニアがいるって設定でさ』
「落ちなかったらいい事あるくらいの設定でしたいやあ押さないでくださいぃーーーー!!?!




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【…ふん…巧くやっているようだな】
「ええ…さすが我が学院の生徒会長ですねぇ」
【まあ私は支障が無ければ誰がやろうと構わんが…聡美、お前が行かなくて良いのか?見るからに暇そうだな】
「んー、寄る年波には勝てませんしね〜」
【嫌味か?】
「あはは、とんでもない。氷室さんはまだまだ若いですよ?ベッドの上でも…」
【…お前の下賤な冗談は好かんな】
「そうですか?」
【まあ良い、私はこれから少し出てくる。後は頼んだぞ】
「?…ああ、もうあの事で動いてらっしゃるのですか?気の早いことですねえ」
【物事は早い方が良い。特にこんな厄介事はな】
「相変わらず生真面目ですねえ…おや、行ってきますのキスも無しですか?」
【……後は頼んだからな】
「はいはい。


ふふ…本当に照れ屋さんですね」


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『凄いな高屋敷君、ちゃんと落ちないで生きて地を踏めたんだね』
「…足首に」
『…あ、ピラニア池に落ちた生徒に掴まれた所かい?痣になってるな…終わったら湿布貰うと良いよ』
「もう嫌だこんな人生ーー!!!」
『そんな事言ったら死んだ生徒に悪いと思うけどね。…じゃあ、俺は先に行かせてもらうよ』
「え?どうして今回だけ先に…まさか?!


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