あれから十七試合

文字通り、血で血を洗う死闘の中

どういう訳だか僕のチームは勝ち残ったみたいです

…覚えてないけど



「凄いですよ高屋敷君、君があんなにも足を引っ張っていたというのに優勝とは!!おめでとう御座います、先生とっても嬉しいです」
「僕は…あんまり嬉しくない…かな」
「おやおやどうしてです?せっかく生き残れたというのに」
「…安西先生が生徒の骨を折らなかったら、嬉しかったんだろうけど…」
「そうですか?いやぁ折った折った…ボキボキ折っちゃいましたよ。先生暫らく骨を折るのはごめんですね〜」
「暫らくかぁ…」
「ああ、安心して下さいな高屋敷君、望むなら私はいつだって君の骨を叩き折りますよ」
「望まないから!!」
「それにしても高屋敷君、本当におめでとう御座います。よく頑張りましたね☆」
「ちょ…!?なに抱きしめてんですか?!放して下さい気持ち悪いなあ!!放しッ、て…!!……え?や、痛……痛いですって!力強すぎ……(…ミシ…)あがあ!?!ぐぁっ(ベキョメシガコビキイィ!!)ぐっぎゃあああああああ!!!!
「ん〜…良い音ですねえ高屋敷君」
「いつっ…ぁ、うあ…うあああ……」
「あはは、痛いですか高屋敷君?ですが、痛がっている暇はありませんよ。競技はまだまだあるのですからねえ〜」
「ほ、保健室は…」
「ん?不参加ですか?ではこの場で死んでもらいましょうか」
「ひああぁぁっ!?!いや、やめ…やめて…お願い、出るからお願い…!!」
「ふふ、最初から素直にそう言えば言いのです。無駄に刃向かうからいけないんですよ?」
「あ…でも、僕…腕が折れて……動かなくて」
「言うことを聞いてくれさえすれば、殺しませんから。さあ、涙を拭いて…」
「…ホント?ホントに殺さない?」
「ええ、約束しますよ。だから、ちゃんと参加して下さいね?」
「…ん……うん…」
「ありがとう御座います、高屋敷君。…さ、こっちで添木をしてあげましょうねぇ…いらっしゃい」
「うん…」


―――――――――――――――


「お待たせしました。欠員分の補充、連れて来ましたよ」
「え?」
『あ、ありがとう御座います。…手負いの生徒ですか、殺しても?』
「ええ、構いません。その為に連れて来ましたから」
「え…え?なに?なにコレ?なんで、なんで僕が…だって、先生、手当てしてくれるってさっき」
「高屋敷君…


……君は本当に素直で良い子ですねえ?」
「あ…?」
「先生、君の様な素直な子は大好きです。……騙されやすい子も、ね」
「ぁ…あ……やぁっ…」
「【協力すれば、殺しはしない】という言葉によって、被害者は人目に付かない所まで自分で歩いたりするものなのです…
……その後に何が起こるかも知らずに…ねえ?」
いやぁああああああ!!!


―――――――――――――――


「ううう、だまされたぁー…安西先生にだまされたぁ…そうだよね、先生が僕を殺さないなんて訳、ないもんね…」
「あはは、可愛らしいですねぇ高屋敷君」
「ぐっすん……で?僕が次出なきゃいけない競技はなんなんですかー?」
「ドッジボールです、この砲丸を使って」
死ぬ!殺人だよ!もはや犯罪じゃないですか!!」
「ははは、いやですねぇ〜高屋敷君。人に物を投げ付ける時点で犯罪ではないですか」
「いや、それはゲームだからで…」
「じゃあ互いの首を折りあうゲームで」
「砲丸ドッジでいいです」
「手足を引き千切るゲームは…」
ドッジボールでいいったらー!!

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