「やれやれ、やっと体育祭始まりましたね安西先生ー」
「ええ、予定より一ヵ月は遅れてしまいましたねぇ。…ん?高屋敷君、今回は自らブルマ着用ですか」
「う、うん…どうしてか自分でも解んないけど、無性に拍手との連動させなくちゃなあって……僕なに言ってるの?」
「さあ…。まあ良いじゃありませんか」
「全然よくないですぅ…。あ、そういや今年は昼間にやるんですね、体育館だし」
「今年は球技が主体ですから…ですが、体育館となると処理が大変ですねぇ〜…そのまま埋める訳にはいきませんものね」
「その台詞で略されてるのは【死体】って単語なんですよね…あーあ…今年もまた僕、死にかけるんでしょ?」
「死にかけるんじゃありません、死ぬんです」
「もっとヤダ!!」
「むしろ、殺されるでしたか」
「いやあもういやあ!!もう僕帰りたいー!!
「そうは行きませんよ高屋敷君。去年同様、逃げ出す者には制裁を。…血の裁きでは満たぬなら、死よりも重き無限を以て」
「あ…あわわ…」
「ははは、本当に面白いですねえ高屋敷君は!!大丈夫ですよ、要は生き残れば良いんですからねえ…さ、もう行きなさい?整列時刻です。…遅れたら、首が飛びますよ」
じゃあ僕並ばなくちゃいけないんで!!先生また後で!!



『【…と言う訳で、今年も伝統ある我が学院の体育祭は良い天気となりました。皆さんの日頃の行いが良いせいで、太陽も元気に顔を出していますね!!】』

「(いやここ体育館なんだけど…相変わらず校長センセったら、よく解からない黒いモヤに包まれてるなあ)」

『【では、挨拶はこの辺にしよう。…生徒会長からの開会宣言だ】』

「…(去年、無かったよねそれ。…あ、会長だ)」


『……先制。我々私立挫賂眼学院高等学校生徒一同は、日頃の成果に則り、強靭な肉体と魂を贄として捧げる事を誓います』


「(なんだその開会宣言はー!?誓わねーよ!!)」

『【この契約書にサインを】』

『はい。…〔私立挫賂眼学院高等学校生徒一同、代表〕…これで良いでしょうか』

『【うむ】』

「(なに勝手な事してんだアンタぁーー?!契約しねーよ!!マトモな奴はいないのかよこの学校!!)」

「自分はマトモだと思っているのですか高屋敷君?」

人の思考を読むなよアンタも!!(ドゴ!)あべふっ!?

「やれやれ困った子です…静かにしていなくては駄目ですよ?」

「あが…せ、センセのせいなのに…」

「良いから大人しくなさい?…おっと、次のルール説明は今年も私がやるんでした。では、行ってきますよ」

「い…いってらっしゃい。……




どうせ今年もロクなのじゃないんだろうなー…」


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