ガララ



「安西先生ー…?」
「おや高屋敷君、一緒にどうですか?お花見」
「窓から見える桜も綺麗ですし、お花見自体は良いと思いますけど、学校で酒を飲まないでくださいこの不良教師!!
「美少年ってどの層を狙って付けたネーミングなんでしょうねえ?」
「知りませんそんな事!いいから一升瓶置いてくださいよー!!」
「ははは、私の酒が飲めないとは言わせませんよ」
「僕はお酒なんて飲みませんよ、未成年なんだから。第一未成年者がお酒飲んだら成長止まるんですよー?」
「もう止まっているじゃありませんか」
「ううううっさいのー!!大体なんで教師が生徒に飲酒勧めるんですか?!」
「ビールを飲ませると肉が柔らかくなると聞いた事はありませんか?」
「肉牛!?」
「幼児はうっかりチューハイを誤飲して死にますし…」
「もうジュースと間違える年じゃないよ!なんて遠回しな殺人だ!!」
「…では、直接的にいきましょうか」
「え?いや…うわアアアアア!?!なんで縛るんですかいやだああああぁぁぁ!!!
「知っていますか高屋敷君、飲酒運転発覚時の常套句『いやあ、友人に無理やり飲まされちゃったんですよ』は手足を縛られて口を塞がれて鼻から流し込まれた場合にしか適用されないんですよ☆」
「知りませんそんな事!やぁっ…んぐ!?んむうぅーーーー!!!!



「…美味しかったですか?高屋敷君」
「美味い訳っ…げほ、あるか……がはぁ!…っこの、アホ教師……捕まれ…」
「ん?私は25歳ですので捕まりませんよ?」
「そうじゃないよ!!…なんで鍵閉めてんの?」
「いやあ、高屋敷君が熱いとか言って脱いだら困りますしねぇ」
「誰が脱ぐか!変な期待すんな変態!!」
「期待と言うか、脱いだらウケますよ?そっち方面の方々に」
「いらないよ…」
「おや…ちょっと飲ませすぎましたかねえ…目が据わってきていますよ?」
「…ううぅ…」
「ふふっ、さあさあどんな酔い方をしてくれるのでしょうねえ高屋敷君?泣き上戸でしょうか笑い上戸でしょうか、怒り上戸、喋り上戸でしょうか?案外抑鬱されている精神の暗い所が噴出してくるかもしれませんねえ〜…先生ドキドキです☆」
「………あはは!もーやだなあ安西センセったら!!僕そんな悪い子じゃないよー♪
「なっ…」
「どしたのセンセ?ね、抱っこしてください♪」
「ちょ…暑苦しいので離れて下さいな」
「やっだなあ安西先生!好きなくせに♪」
「………高屋敷君がこんなに酒癖が悪いとは思いませんでしたよ」
「えへへー♪」
「良いから、くっつくのではありません…邪魔なんですよ。解りましたか?」
「はぁ〜い」
「それで良いのですよ…全く全く、くっつき癖は治したほうが良いですよ高屋敷君、その女顔では襲われても文句は言えませんからねぇ」
「はーい♪」
「…」
「?なあに先生?」
「いえ……高屋敷君、ちょっと脳味噌を抉り出させて貰っても良いですかねえ」
「うんいいよー♪」
「前言撤回しますよ高屋敷君、君の酒癖は非常に良いですね」
「ありがとー♪」
「そうですねぇ…高屋敷君、少し屋上から飛び降りてもらえませんか?」
「うん!行ってくるねー♪」
「はい、行ってらっしゃい」



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(「安西センセー?!」)

「…ん?」

(「窓窓!窓開けてー!!」)


(ガララ)


「ああ、屋上に着いたのですか高屋敷君。あまり柵から乗り出しては危ないですよ」

「うん!あのねー?今から飛び降りるからー、センセちゃんと見ててねー?」

「ええ…大丈夫ですよ、今丁度窓辺に椅子を置いた所でしたからね」

「よかったー。じゃーいくねー?」








………



……………




……………………






(ドグビチャ!!)













「…梅に鶯、桜に死体。ふふふ、本当に風流ですねえ…」





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