カララ…




「こんにちわ安西先生、今日はあったかいですねー」
「こんにちは高屋敷君、桜ももうそろそろのようですねえ」
「お仕事してるの?」
「いえ、丁度終わった所ですよ。すみませんけれど、このファイルを戸棚に仕舞ってくれませんか?」
「はーい。んと、ここですかー?…ひゃう!?(ゴン!!)痛ったあー!!
「おやおや…大丈夫ですか高屋敷君?本当によく転ぶ子ですねえ君は」
「うええぇー…こんな所に三節棍転がしとく先生が悪いんですよー!!」
「あー…そろそろ進路指導室を掃除しないといけませんねぇ〜」
「そうですよー、もういい加減滅茶苦茶ですよ?自分ちは綺麗にしてるのにどうしてこっちは汚すの?」
「高屋敷君が片付けるでしょう?」
「なんで僕が!?」
「利用しているのですよ。使える腕が多いのは便利ですねえ」
「絶対やらない!!」
「…良いのですか?」
「ふぇ?」
「………バラしますよ?」
「…ほえ?」
「ああ、良いのですね高屋敷君。君はあの秘密がバラされても恥ずかしくは無いと言うのですね?いやあそれは好都合です早速ネットでばら撒きましょうねえ〜」
「えええ?!待ってください何の秘密!?僕なんにもしてないけど…あああ!?まさか指しゃぶりしないと寝付けないことですかー!!?」
「あ、それもありましたねえ…じゃあそっちは校内放送で流しましょうか」
手伝うから!手伝うから止めて安西センセー!!




「もう、きったないなあー!!なんでこんなになるまでほっとくんですか安西先生!?」
「高屋敷君がなかなか片付けないからでしょうに」
「僕は家政婦じゃありません!!ホントにもー…んっしょ。このダンボールどこに入れるんですか?」
「んー…戸棚の右側にお願いします」
「え?もうはいんないですよ。って言うかダンボール自体大きさ的に無理ですー」
「押し込んで御覧なさい」
「えー?……んしょ、よいっっ…しょ!!あ……はいった」
「でしょう?」
「…前から思ってたけど…四次元ポケットになってるの?」
「ははは」
「なんで笑うの?」
「えー…っと?このファイルはこっちですかねえ」
「いたっ。…?…なんだろ、おっこってきた……ね、センセこのネジ何のネジー?」
「はい?…さあ、なんでしょうねぇ?」
「結構ちっちゃいけど…捨てていいですか?」
「ええ」
「燃えないゴミこっちですよね」
「いえ、左側の箱ですよ」







「…やれやれ、やっと綺麗になりましたね安西センセー!!」
「そうですねぇ〜…お疲れ様でした高屋敷君、ジュースでも買ってあげましょう。いらっしゃいな」
「え、やったー!!」


(…ズズズ)


「…ん?」
「?…今の音なに?」



(…ズズズズズズガガガガガガベキメキゴキ!!!



「ななななになになに?!?地震!?センセ揺れてますよー!!」
!!……そうでしたか…さっきの螺子、あれは…」
「え?え?」
「逃げますよ高屋敷君!!」
「ええ?!待ってください他の人たちは…」
「他人を心配している場合ですか!?死にたくなければ早く来なさい!!」
「あ、待って…う…うぅ………うわあぁんごめんなさいぃーーーー!!




僕と安西先生が校舎から出た瞬間

アメリカのビル破壊工事みたいに、轟音と共に崩れ去っていきました

学校が全壊するのを見るのは二度目です

そこかしこで、呻き声が聞こえます




「………あ……ぁ……」
「いやあ〜、先生うっかりしちゃいました。あの螺子、外れたら学校が崩れる大黒螺子だったんですよねぇ〜」
「…ひ…人が……」
「機密を守る為の作りも、善し悪しですね」
「あの…生きてる人を…」
「さて、ジュースを買いにいきましょうか!!」
「え」
「高屋敷君、何が飲みたいです?ガラナが良いですか?」
「…」
「ああ、見てから決めたいですよねぇ。じゃ、行きましょう☆」
「…うん」











…ごめんなさい。

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