ガララ




「安西センセ、こんにちわぁー…って、なにしてんですか?」
「おや高屋敷君。それが、学校長からこのカナリアの世話を頼まれましてねえ…餌をあげていたのですよ」
「へー。食べるのかと思った」
「人を食いしん坊キャラのように言わないで下さいな。自分で手塩をかけたペット以外は食べませんよ私は」
「…まあいいですけど…僕が食べられなけりゃ」
「ははは」
「…」
「ああ、餌あげてみます?可愛いですよ。ほら」

(グキイェエエエエ!!)

「な、なんですかこの鳴き声ー?ホントにカナリア?」
「大丈夫ですよ、躾はちゃんとしてありますから」
「ほ、ホントですかぁ…?(カタン)……えと、アンゼリカちゃん、ご飯あげるから出てきてー…」

(ギョキェエエエエエエー!!ガブリブシュウゥゥー!ゴキュ!ゴキョッガリリゴリ!!)

「い…いっぎゃあああああああー!?!いやあ!あああ!!指が!右手薬指の第二間接から先があああぁぁ!!!
「おやおや…いけませんよアンゼリカちゃん。生きた人間を食べる時は私に聞いてからにしなさいと言ったでしょう?」
「やあぁ!痛い、痛いよぉ安西先生!!止まんないの…止まんな…ぃ」
「ああ、大丈夫ですよ高屋敷君、舐めておけば治る傷ですからね…貸して御覧なさいな」
「あははっ!いつもならここで気色悪いことするなって叫ぶところですけど…っはははははははー…痛くって咥えられてるのも舐められてる感覚もしなーい。きゃはは!!そりゃそうだよね。指が無いんだもん♪」
「…壊れちゃいましたか」
「美味しい?ねえ安西先生僕の血美味しい?!もっと飲んでいいよ!っていうか食べていいよっ!!はは、ほらそこにいるアンゼリカちゃんみたいに!あは、あはははははあはははははははははは美味しいですよきっと僕の肉!!」
「高屋敷君、君が壊れるのはこれで何回目になるのでしょうねえ…」
「ふふふ?壊れる?そうだよね、僕はお人形さんみたいに先生のオモチャにされて尊厳失くして手足の二三本失くして目玉も失くして舌もなくして叫び声もあげられなくなって脳みそ働かなくなってお人形さんみたいに自分では動かなくなっても本物の人形じゃないから血を吐いて内臓飛び出て糞尿撒き散らかして反吐吐いてぐちゃぐちゃになって遊び難くなったらそこら辺の道端にぽいってされるような使い捨て型人間だもんねっ?食べてももらえないのかなあ?ふふ、あは、はははっ!きゃはははははははははあーはっはははははくふふふふふふふふふっふうふふふふあははははーーーーーーーーー?」
「…」


(ドゴキュ!!)


「………」
「もしもし?高屋敷くーん?」
「…はっ!?あ!安西先生!!なにしてるんですか早く保健室つれてってよ!ウチの保健室だったら指に一本や二本や三本や四本や下半身丸ごととか生やせるでしょ!?」
「ああ高屋敷君、鈍器で殴ればすぐ元に戻る君の精神は脆いのか頑丈なのか解りませんねー…」
「はあ?僕おかしくなった事なんて無いですし!!いいからとっとと連れてってー!!」



―――――【保健室】―――――



「…と、いう訳ですので沢津橋先生、すみませんが高屋敷君をお願いしますね」
「だんだん激痛になってきたんで早くお願いですー」
『ええ了解よ。右手の薬指から第二間接先…ね?』
「ああ、その事なのですけれど…」
「え?なに先生?」
「どうせ生やすのですから、アンゼリカちゃんの為に高屋敷君。君の手足を二三本貰えませんか?」
ふざけんななに言い出すんだよ…って何ですかその小型ギロチンどうして保健室にそんな物がひぎぃ!?!
「…沢津橋先生」
『ええ、安西先生。じゃあ高屋敷君、治療のため局部切断!!』
麻酔はしないのかよあぎゃああああああああアアアアアァァァぁぁ!!!!!

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