えゝ畜生が畜生が

どうして僕ばかり死に掛けなくちゃいけないんだろう


いつもいつも、僕ばっかり安西先生に殴られたり蹴られたり
そんな訳で、たまには僕から攻撃を仕掛けてみようと思うんです
とりあえず、隙を突いてカッターとかで刺してみようと思います



(カララ…)


「安西センセ、こんにちわ」
「こんにちは高屋敷君、お茶入れてもらえますか?」

また来ました、【疑問系なのに強制】
断るなんて選択肢、僕には無いんです
お茶を飲んでる最中に刺してやろうと思います。みてろよ



「センセ、お茶はいりましたよ」
「ありがとう御座います。…おや、高屋敷君の分は淹れなかったのですか?」
「え?」
「昨日美味しいお茶菓子が届いたのですよ。一緒に食べようと思いましてねぇ」
「…」

明日にしよう


――――――――――


今日はどうやって攻撃しようかなあ?
流石に二連続でお茶菓子は無いだろうから、今回もお茶系で行こう
丁度処刑室からパクってきたボツリヌストキシン(1.0mg)があるし
これを盛ればまあ、顔色が悪くなるくらいにはなるんじゃないかなー
…あ、お茶ぬるめにしなきゃ



(カララ…)


「こんにちわ、安西先生。お茶淹れますね」
「こんにちは高屋敷君。ありがとう御座います」


熱で成分が壊れないようぬるめのお茶に、ボツリヌストキシン(1.0mg)をぶち込みました
これで僕もセンセに一矢報いられるわけですよ。いひひ


「はい先生、お茶はいりましたよ」
「…おや、茶柱が立っていますね〜」
「え?」
「春先から縁起が良いですねえ…折角ですから、高屋敷君が飲んで下さいな」
「…」


(僕が吐いた血で)床が汚れたので、掃除が大変でした



――――――――――



今日は罠を仕掛けてみようと思います
お昼休み、ホームアローンばりの罠を、進路指導室にいっぱい作っときました
放課後の今、この進路指導室の扉を開けたら、先生の血とか内臓とか肉片が視界を満たすわけです
最近安西先生の危険思考が僕にも移ってる気がしますけど、気のせいですよね


(カララ…)


「…あれ」
「おやおや高屋敷君、こんにちは。…この罠を仕掛けたのは君ですか?」
「生きてたの?」
「当然です。私がこの程度で死ぬ訳がありませんねえ」
「そっか…」
「ああ、そんなに残念そうな顔をしないで下さいな…とても良く出来ていましたよ?」
「安西先生、怒らないんですか?」
「うん?どうして怒るのです?」
「だって…」
「こんなに良く出来た罠を仕掛けられるなんて、我が【私立挫賂眼学院高等学校】生徒として誇れる事ではありませんか。…高屋敷君、私は教師として、とても喜んでいます」
「…えー」
「でもこのままでは危ないですから、片付けなくてはいけませんねぇ…手伝いますよ高屋敷君?」
「…」

明日にしよう



――――――――――



なんかもう、勝てない気がしてきてるんですけど
でも、ここで諦めたら色々と終わるような気がするので
今日はどうしようかなあ……殺し方…死に方…
ウサギならさみしいと死ぬけどなー


(カララ…)


「安西センセ…」
「ん?ああ高屋敷君でしたか…実はちょっと仕事で出なくてはいけなくなりましてねぇ〜」
「あ…」
「では、行って来ますよ。良い子にしていて下さいな(ガララピシャン)」
「…」


さみしい










(カララ…)


「ただいま帰りましたよ高屋敷君」
「あ、お帰りなさい安西先生」
「どうぞ、お土産のお菓子ですよ。…良い子にしてましたか?」
「うん、ありがとうございます」
「よしよし…寂しくて死んでいるのではないかと心配でしたよ。さて、紅茶を淹れましょうねぇ」
「…」








殺すの、もうちょっと先でいいや








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